疲れがとれない(慢性疲労症候群)


鈴木 女性 29歳  大阪 OL

およそ、一年ぐらい前から体の疲れがとれません。
週休2日ですがほとんどグッタリと寝てすごしています。
仕事は事務処理が多いのですが、よく言われるパソコン病ではないと思います。
目の疲れは多少ありますが、ほかの人と比べるとラクな方だと思います。
あまりにも調子が悪いので心療内科にも行って診てもらいましたが、うつ病ではなく疲れの蓄積疲労でしょうと言われました。
とにかく体がだるいのです。
針の治療で治るものなのでしょうか。

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一年以上つらい思いをしてこられて、身も心もクタクタの状態でしょうね。
最近、「はせがわ鍼灸院」にも、鈴木さんのように「疲れて、「体が動かない」、「頭痛、めまいがする」、「体のアチコチの関節が痛い」、「休みの日にはずっと寝ている」、などの、いわゆる「不定愁訴」の患者さんが増えています。


さて、この病名は「慢性疲労症候群(CFS)」といいます。
症状は「うつ症状」と非常に似ているので、鈴木さんが心療内科を訪ねられたのもうなずけます。

この「慢性疲労症候群」と「うつ症状」の違いや、境界線ははっきりしていません。
医者によっても、鍼灸治療家によっても、意見の分かれるところです。

そこで、私の今までの経験から、「慢性疲労症候群」の特徴をあげてみました。
心当たりのあるかたは、ご自分でチェックしてみてください。
「身体面」と「精神面」に分けておきます。


病名
CFS(慢性疲労症候群)

その特徴(身体面の特徴)
①微熱が続く
②疲れた感じ、だるい感じがある
③リンパ節が腫れている
④一晩寝ても疲れが取れない
⑤のどの痛みがある
⑥関節が痛む

特徴その2(精神面の特徴)
①よく眠れない
②憂鬱な気分になる
③集中力の低下
④働く意欲が起きない
⑤まぶしくて目がくらむことがある
⑥ちょっとしたことが思い出せない


CFS(慢性疲労症候群)について。
悪性の病気や甲状腺疾患、更年期障害などの病気はないのに、疲労感が半年以上続く。
どの病院を受診しても、あらゆる検査をしても「異常なし」といわれる。


CFS(慢性疲労症候群)の原因。
そもそも、原因となる異常が見つからないので病気とは認知されなかった。
1991年に厚生省(当時)の研究班が設けられ診断基準を作り、ようやくここ数年で専門外来が出来てきました。


原因はよく分かっていませんが、風邪から始まった患者は多く、(欧米では集団発生した例がかなりあります)
患者の血液中では、神経伝達物質のアセチルコリンが少なく、脳内の自律神経系をつかさどる部位で減っていることが確認されています。
それで、体のだるさといった自覚症状が現れることも説明できます。


近年考えられているのは、ストレスとの結びつき。
ストレスを受けると、脳の視床下部の反応でホルモンバランスが崩れ、異常な疲労感が生じると考えられています。


ポイント;
うつ病と重なっている場合が多いので、カウンセリングや精神科的アプローチをすすめる場合が多い。
しかし「過労や対人関係など身体的、精神的な要因」だけでなく「化学物質や紫外線まで、生活環境のあらゆる
ストレスが発病の引き金になりうる」のです。


その治療法はズバリ、治療はストレスを和らげ、免疫機能を元へ戻すことが主眼となります。


鈴木さんのような症状の患者さんを診てきて、その経験値から取穴部位を述べます。
頭のてっぺんにある「百会(ひゃくえ)」、このツボはイボ痔・脱肛に絶大な効果を発揮する有名なツボですが、全身の張り詰めた気を和らげる働きがあります。

後頚部では、「天柱」、「風池」、そこに胆経の「完骨(かんこつ)」でイライラを鎮めます。
 腹部で「天枢(てんすう)」、「大巨(だいこ)」など、交感神経優位になると、お腹が「硬くなっている」はず。
それらを和らげます。

下肢(足)は、肝軽経の重要なツボである「太衝」、そして、疲れきって気の消失の激しい場合に取る、腎経の主要なツボである「太谿(たいけい)」は必ず刺鍼、または、置鍼します。

「慢性疲労症候群(CFS)」の発病年齢は20代半ばから30代半ばで、50歳ぐらいまで広がっています。
大半が、慢性的な睡眠不足がきっかけになって起きています。
そのためには、生体防御機能を回復させるビタミンb12、ビタミンCの服用が大切。
そして、夜更かしで慢性的な時差ぼけ状態に陥っているため、治療は、適切な睡眠をとり、生活リズムを改善することから始めましょう。

実は、今の私がこの「慢性疲労症候群」の状態です。
睡眠時間が短く、疲れすぎて熟睡できません。
どんなに遅く寝ても、早朝覚醒(朝5時には目が覚め、なかなか二度寝ができないのです)で起きてしまい、風邪ではないのにのどが痛く、治療が終わると何もできない状態です。
家に戻って新聞を読んでいても、ちっとも頭に入っていません。


患者さんからの質問メールをたくさんいただいていますが、疾患別のデータとその治療法のご説明がなかなか進まない理由はここにあります。(←ちょっと言い訳っぽいですが)。
とにかく、鍼灸以外の仕事を少し整理し、時間的余裕をもたせ、ゆっくりした自分リズムを早く身体に覚えさせようと思っています。