冷え症

34歳・女性 N・Hさん

一年中、冷え性で悩んでいます。
冬は何枚も重ね着をしても手足は氷のように冷たく一向に暖かくなりません。
夏でも冷房で苦しんでいます。
肩もガチガチになり、ひどくなると吐き気や下痢を伴います。
もう、高校生の頃から続いています。
解決法はあるんでしょうか?

________________________________


冷え性に悩んでいる女性は多いようですね。
冬は何枚もの重ね着をしても手足はなかなか暖まらない。
そして、夏の冷え性の最大の原因はエアコンの冷房によるもの。

さて、冷え性に関して面白いデータがあるので、参考までにご紹介します。

エスエス製薬が2004年4月に女性千人を対象に、夏場に感じる冷えの実態調査をしています。
その「冷え性白書」によると、冷房による冷えを感じる割合は、全体の77%。
しかも、年代が若くなるほど、夏の冷えに悩む傾向が強い

「人工的な冷えで不快」、「体調が崩れる」といった意見が多かったそうです。

さて、本題に入ります。実は、冷え性の原因は、西洋医学ではほとんど解明されていません。
ここまでのこの文章で「ヘン」なことにお気づきでしょうか?
冷え性」としているのは西洋医学の観点からです。
専門医もほとんどいなく、「冷え症」ではなく、「冷え性」として紹介されているのも、病気として扱われていないからです。

東洋医学の立場から「冷え症」を解明していくと、おそらく「私も!」と言う方がたくさんいらっしゃると思います。

「冷え症」とはまず、「体内で熱を作る量が減り、続いて、血行障害で熱の運搬がスムーズにいかなくなり、その結果、手足をはじめ体の各所に冷えを感じるようになります。

冷え症が比較的若く、女性に多いのは、胃腸機能の低下、運動不足により、「熱」が作られていないから。
さらに、ストレスによる自律神経系統の失調、低血圧での血行不良などが女性に顕著なためです。

といって、手をこまねいている場合ではありません。
対策をバッチリ、行いましょう。

まず、「食事」。夏でも温かく消化のいいものを選ぶことが大切です。
私が、冷え症の患者さん、ダイエットをされている患者さんに、「一年中、鍋料理!」と言っているのは、よくご存知でしょう。
朝食に温かいスープや、(ダイエットの方には)具沢山の味噌汁をおすすめしていますね。
朝は体温が低く、代謝機能も落ちていますから。

食事では、よく知られた食べ物の一つに「しょうが」があります。
ご紹介する写真は「しょうが」を食べる前、食後の体温変化の写真です。


しょうがサーモ比較写真.jpg


このように、「しょうが」でもハッキリと体温変化があらわれます。


さらに、わかりやすいのは「腹巻き」です。
次の写真は、腹巻きをする前、普通の状態の体温写真。


サーモ写真腹巻きなし.jpg


そして、「腹巻き」をして1時間後の体温写真がこれです。


サーモ写真腹巻き.jpg

これらの写真で、身体を暖めることの重要さがわかると思います。

針治療とは、血流改善を大きな目的としています。
血流改善とは、血液に含まれる「酸素」をたくさん送り込むこと。
身体を暖めるのは「酸素」ですから。


そして、首周辺やお腹は冷気を避けてください。
人間の、体には脳や臓器を優先して一定の体温に保とうと血管を調整する仕組みがあります。首周辺やお腹が冷えそうになると、この仕組みが働いて、血管が収縮して(特に、末梢の血管)、その結果、手足が冷たくなるのです。


さて、N・Hさんの悩みの一つである、「冷えすぎて、吐き気や下痢」の症状が起きる点について。

吐き気は、上に書いたように、胃に優しい食べ物で調整してみてください。最近のファッションは薄着傾向にありますから、肌着はしっかり暖かいものを身に着けて下さい。

そして、「下痢」についてですが、下痢は、非感染性とその他に大別されます。夏のクーラー病の下痢は非感染性下痢だと思われます。
やはり、冷たいものを飲みすぎたり、体が冷えていたりすると身体が疲労し、腸菅での水分の吸収がうまくいかず、便が固まる前にお「押し出される」状態ですね。


鍼灸治療では、全身を調整するツボ(「足三里」など)へ刺鍼し、まず全体をなめらかな状態に戻します。
背骨(脊柱起立筋)に沿って、カチカチになった肩甲骨周辺を指針して血行促進、腰部にかけて張っている筋スジをやわらかくし遠赤外線を照射して体の中から暖めていきます。


その後来院されたN・Hさんは、上記のような治療でおよそ2ヶ月で、長年の「冷え症」が改善されました。
冷え症で悩んでいる皆さん、治療だけに頼らず、生活改善で、ずいぶんと冷え症は緩和されます。